実は奥歯が原因!?前歯の痛みを改善した症例のご紹介
- 芝ポーラ歯科
- 4月21日
- 読了時間: 4分
更新日:4月25日
~精密根管治療とインプラント治療の組み合わせ~
今回は「前歯の痛み」の原因が、実は「奥歯にあった」という症例をご紹介します。
当院では、インプラント治療に特化した医院とは異なり、**必要に応じてインプラントも活用できる“総合的な治療提案”**が可能です。院長・副院長ともにインプラントセンターでの勤務経験があり、専門性の高いインプラント治療はもちろん、一般歯科・保存治療も丁寧に対応いたします。
そのため、「とにかくインプラント一択」ではなく、患者さまにとって本当に必要な治療は何か?を見極め、最適な治療法をご提案しています。インプラント治療のメリットも、その他の治療のメリットも両方を踏まえてご提案できるのが、当院の強みです。
今回ご紹介する症例も、そうした多角的な視点で治療を行った一例となります。ぜひご参考ください🦷
患者さまは60代男性。以下の2つの主訴をお持ちで来院されました。
【主訴①】前歯が痛くてつらい
・普段の何気ない表情(すまし顔)のときに、上下の前歯が当たり、強い痛みが出る・何もしていなくてもズキズキと痛む
→診査の結果、前歯(⓪番)は神経が死んでおり、内部で感染が進行していました。CT検査では、歯の内部で発生した膿により骨が溶けていることも確認されました。
当日は局所麻酔を行い、歯をなるべく削らず、小さな穴から内部を清掃する精密根管治療を実施。治療後はすぐに痛みが消失し、その日のうちにご帰宅いただけました
さらに詳しく調べた結果、**前歯に負担が集中していた根本的な原因は「奥歯でうまく噛めていなかったこと」だとわかりました。患者さまも「確かに…」と納得されていました💡

【主訴②】奥歯で全然噛めない
奥歯の状態を確認したところ、黄色矢印の箇所でブリッジが途中で切れており、片側の支えが失われている状態でした。本来、ブリッジは両隣の歯をしっかりと結んで支える構造で作られるべきものですが、このケースでは片方しか支えがなく、不完全な形となっていました。なぜこのような形なのか謎です。
実際にブリッジを上から軽く押すと、たわみ(しなり)が生じるほどで、これではしっかり噛むことができません。さらに、そのたわみが歯ぐきに直接圧力をかけ続けていたため、歯ぐきが赤く腫れ、炎症を起こしている状態でした(下画像参照)。
また、今回の主訴である前歯の痛みも、実はこの奥歯の噛み合わせ不良が根本的な原因でした。しっかり噛めない奥歯の代わりに、強い顎の力が前歯に集中して負担がかかりすぎていたのです。この点をご説明すると、患者さまも「確かに前歯ばかりで噛んでいたかもしれない」と納得されており、ご自身でもその違和感を感じていたとのことでした。
【治療のご提案:2つの選択肢】
【Aコース】前後の歯をつないだブリッジ治療
🟢メリット
保険適用で費用を抑えられる
治療期間が短い
追加の削りは少ない
🔴デメリット
銀歯になる
歯への負担が大きくなる可能性あり
汚れがたまりやすい
【Bコース】インプラント治療(2本)
🟢メリット
しっかり噛める
見た目も美しいジルコニア使用
周囲の歯を削らずに済む
長期的に安定しやすい
🔴デメリット
費用がかかる(1本33万円~)
治療期間が約2か月
通院が5回ほど必要

治療後の写真です。
【最終的な治療内容】
患者さまは「長く安心して使いたい」とのことで、Bコースのインプラント治療を選ばれました。
最高品質のストローマン社製インプラントとジルコニアセラミッククラウンを使用。
仮歯装着まで4回の通院で、すでにほとんどの食事が快適に。前歯の痛みも消え、しっかり噛めるようになりました。「少し高かったけれど大満足!」と、嬉しいお言葉をいただきました。
食べ物が詰まりにくくなるような形態調整もしっかり行い、快適な咬合で仕上げました。

【治療概要】
内容 | 詳細 |
🕒治療期間 | 約3か月 |
🏥通院回数 | インプラント 6回/前歯の根管治療 4回 |
💰費用 | インプラント治療:88万円(税込) ※上部構造、土台、検査費用すべて込 前歯:保険治療にて約15,000円(歯周治療含む) |
⚠️リスク | 手術時に腫れや痛みが出ることがあります |
芝ポーラ歯科では、インプラント専門医院ではなく、必要なときに適切にインプラントを選択できる「総合的な治療判断」が可能です🦷歯をなるべく残す治療を大切にしつつ、「前歯が痛い」「奥歯で噛めない」といったお悩みの根本原因をしっかり見極めて治療方針をご提案しています。
港区芝公園・赤羽橋エリアでインプラント治療をご検討中の方は、ぜひ芝ポーラ歯科へご相談ください。