こんにちは🍀
芝ポーラ歯科です🐻❄️
今回は抜歯を避けるためのオペを紹介します。歯の足首から先を大胆にカットすることで歯を残す方法です。
その名も歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)です。
その名の通り歯根=歯の根っこ、端=はじっこ、切除=カットする。そのまんまですね。
70代女性、他の医院で前歯を治療してもらったが痛くて抜歯してほしいとのことで来院されました。
確かに、抜歯をすれば痛みからは逃れられますが、その後保険診療においては前歯を入れ歯にするなどの強烈なデメリットが出ることを説明し、またCTなどで精査したところ非抜歯でも治療が行える可能性を説明したところ、歯を抜かない治療方法を選択したいとのことだったので非抜歯にて治療をおこないました。
骨粗鬆症の注射を定期的に受けておられることもあり、骨粗鬆症の最大の副作用である骨壊死を防ぐ狙いもあり、抜歯をしない方向で治療をおこないました。
注:当日に痛みをとる処置を行い、快適にご帰宅いただきました。
術前
術前の写真です。CT上の画像で前歯のつま先(あえてわかりやすい表現といたします)の周りの骨がなくなっていることがみてとれます。円形にぽっかりと穴があいているのがお分かりかと思われます。これは歯のつま先が細菌に感染してしまって、それに伴いつま先の周りの骨が吸収していることを示唆しています。
さて、ここで作戦をたてます。通常であれば、根幹治療という根の治療を行います。そうすることによって歯の先端の細かい汚れをきれいにして、骨を回復させることができるからです。しかし!!今回の患者様は何年もこの部位を経過観察していること、穴が大きいことから、精密根幹治療+歯根端切除術をおこなうことといたしました。
歯根端切除術!?(しこんたんせつじょじゅつ)とはなんぞや。
雑草を抜いたことがありますよね。素直な奴もいれば、毛みたいなやつもいます。歯の神経も同じで、複雑な迷路のような神経の経路をした人もいらっしゃるのです。複雑怪奇な歯の神経を金属の器具を用いてきれいにすることは不可能です。そこで当医院では、特殊な器具を用いて、根の先を電気的に焼いてきれいにすることができます。今回もそれを用いて、まずは電気的に神経の細かい部屋を焼いて殺菌いたしました。
しかし、それだけではおそらく治らないと判断したので歯根端切除術を行うこととしました。つまり足で例えると、足首から先を丸ごとカットする治療法です。それにより感染の本体をなくすことができ、骨の回復がみこめるのです。といっても、歯を抜くわけにはいかないので、唇の裏に麻酔を行い、歯の先端付近の骨に直接穴をあけ、汚れと、歯の先端を丸ごと取り去るのです。
①CTデータを基に正確な病巣の位置を特定します。それを基にメスにて切開を行います。そして歯の周りにある悪い肉の塊(肉芽といいます)をゴリゴリと取り除いていきます。いたそうですが、痛みは感じないとの事でした。
根の先端を切り取り、空洞の中をしっかりと綺麗にして縫合します。そしてそのまま6か月ほど経過を観察いたします。痛みは直ぐに軽減し、その後違和感なども3ヶ月目にはなくなっていきました。その間にもCTをとって骨の状態を確認していきました。徐々に骨が出来てきているのを確認したところで前歯を制作していきました。
↑術後の写真です!歯の先端の丸い影がほぼ消え去り、骨が出来ているのが確認できます。
↑まだ少し治りきってないですが、最初に比べるとかなり病巣が小さくなている事がみてとれます!
↑もう一度症例の写真をならべてみます。骨が復活しています!
この後、前歯のブリッヂをつくりなおしております。奥歯が一本少ない事を考慮し、前歯でもしっかりとしたかみ合わせを作り、奥歯の負担も軽減いたしました。レタスなどの薄い物もしっかりとかみ切れるとのことでした。
あとがき
治療から半年ほど経過いたしました。歯茎の違和感が4カ月ほど残り、少し不安がありましたがそれも消え非常に快適に過ごされているとの事です
他の医院で根っこの処置がうまくいかないなどの症例でも、外科的な処置を併用する事によって歯を保存することが可能な場合があります。
料金
3万円(神経の治療費・歯周病治療費含む)
通院期間
3か月(6回)
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是非チェックしてみてください🦷
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